便秘
- 排便が少ない
- 腹部の膨満感
- 排便後の残便感
- お腹の痛み
- 吐き気
【便秘の原因】
便通は本来、毎日あるのが健康な状態です。3日以上出なかったり、便が硬くて量が少なく残便感があったりする状態を便秘と呼びます。女性に多く、排便が困難になるほか、腹痛、腹部膨満感、食欲不振などの症状もあらわれます。肌荒れや肩こりなど、全身に影響が出ることもあります。
原因
主な原因は、便意を長時間我慢したり、食事や水分など体に必要な栄養分を十分にとれない、運動不足、精神的なストレス、がんの治療に用いる薬や痛み止めの副作用などがあります。
【便秘の種類】
便秘はメカニズムによって機能性便秘と器質性便秘に分けられます。 機能性便秘はさらに「弛緩性便秘」、「痙攣性便秘」、「直腸性便秘」の3つに分けられ、器質性便秘と合わせて全部で4種類に分類されます。症状に合った対処をするためにも、自分の便秘の種類を把握しておきましょう。
機能性便秘
●弛緩性便秘: 大腸の運動が低下
腸管の緊張がゆるんでしまい、ぜん動運動が十分行われないため、大腸内に便が長くとどまり、水分が過剰に吸収されて硬くなるタイプ。便秘の中でも頻度が高く、女性や高齢者に多い。
おなかが張る、残便感、食欲低下、肩こり、肌荒れ、イライラなどの症状も起こる。
運動不足、水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、極端なダイエットなどが誘因になりやすい。
●痙攣性便秘: 大腸の過緊張
副交感神経の過度の興奮によって腸管が緊張しすぎてしまい、便がうまく運ばれずに、硬くコロコロとした便になるタイプ。食後に下腹部痛、残便感などの症状があることも。また便秘と下痢を交互にくり返すことも多い。
精神的ストレス、環境の変化、過敏性腸症候群などが誘因になりやすい。
●直腸性便秘: 直腸に便が停滞
便が直腸に達しても排便反射が起こらず、直腸に便が停滞してうまく排便できなくなるタイプ。
高齢者や寝たきりの人のほか、痔や恥ずかしさなどにより排便を我慢する習慣がある人に多い。
器質性便秘
胃や小腸、大腸、肛門などに何らかの疾患があり、それが原因で便秘になっている状態をいいます。
※機能性便秘が生活習慣を見直すことで症状が緩和されるのに対し、器質性便秘は医療機関の受診が必要です。
【放っておくと危険!便秘の対処法】
① 水分摂取を意識する
一般的に成人の1日必要水分摂取量は約1,500mlとされています。特に夏場など気温が高い季節だとより多くの水分摂取が必要です。
普通便の約75%は水分で構成されており、水分摂取が少ないと、便が硬くなって便秘の原因となってしまいます。普段から便が硬い方は、多めの水分摂取を意識しましょう。
② 腸内環境を整える
腸内には善玉菌・悪玉菌・日和見菌など多くの細菌がいますが、このバランスが崩れることで様々な病気を引き起こすことが知られるようになってきました。
③ 食物繊維を適切にとる
食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、水に溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。
水溶性食物繊維は、水に溶けるとゼリー状に変化し、便にうるおいを与えることで排便をスムーズにします。不溶性食物繊維は、水分を吸収することで体積を増やし、物理的な刺激を大腸に与えることで蠕動を促す働きがあります。
④ ウォーキングなどの有酸素運動を行う
大腸の蠕動は副交感神経が優位な時に起こります。ウォーキングなどの有酸素運動では副交感神経が有意となり、また大腸に対する物理的な刺激作用も加わるため、排便の促進に効果が期待できます。
⑤ 自律神経のバランスを整える
前述の通り大腸の蠕動運動には副交感神経の働きが欠かせません。現代社会は交感神経が有意になりやすい刺激にさらされた社会環境にあるため、意識して副交感神経を働かせる必要があります。そのためには、まずは十分な睡眠をとることが欠かせません。また、なるべくストレスを減らすこと、リラックス出来る時間を意識的に確保することも大切ですね。
このように一般的に言える便秘対策でもたくさんあります。あとは便秘のタイプによっても変わってくるので、他にも自分にあった便秘対策があるか、ぜひ相談してみてくださいね。